脳性麻痺(痙性両麻痺) 40代女性 障害基礎年金2級
概要
妊娠7か月の時に帝王切開にて出生。
体重約550g。
運動発達遅滞がみられ、脳性麻痺と診断された。
リハビリテーションが開始され、言語の遅れもあったため言語訓練も受けていた。
幼少期は登校時に自分の足に引っかかる、小さな石に躓くなどで毎日のように転倒していた。
社会人になってからも状態変わらず。
両下肢に筋緊張がありボツリヌス療法を開始。
以降、定期的な通院を継続している。
無意識に力が入ってしまう。
何もないところでも躓き、自分の足に引っかかってしまいひやりとすることも少なくない。
片足での起立はできず、両足でもバランスをとるのが難しい。
両足では何とか立てるものの、緊張状態が続きすぐに疲れてしまう。
長時間立ち続けることはできない。
臥位又は坐位から立ち上がる際は机・柱など支えが必須で、支えるものがなければ自力で立ち上がれない。
近所への買い物程度の移動も困難なうえ、家の中の移動にも支障が出ている。
令和7年3月に障害基礎年金の請求を行う。
結果、障害基礎年金2級(事後重症請求)が認められた。担当者コメント
請求人は私のところにご相談いただく前、別の社会保険労務士にも相談されていました。
その社会保険労務士の見解は【障害状態に該当しない】。
請求人は杖なしで歩行が出来ており、そのご状態を見た社会保険労務士が状態的に軽いと判断したようです。
肢体の障害では歩行障害の有無のみで障害等級が決まるわけではありません。
請求人の場合、脳性麻痺によりADLは著しく低下。
部分介助を必要とするご状態でした。
そのような点を考慮する事なく、単に杖なし歩行可能である点のみで障害状態に該当しないと決めつけたその社会保険労務士の判断は適正ではなかったと思います。
ご病気の特性・症状と認定基準を照らし合わせて障害状態に該当する可能性があるかどうかを見極める事が重要です。